工程パトロール記録表(回った記録と指摘の一覧・Excel)
工程パトロールで回った記録を ○ × で残し、見つけた指摘を1件1行で追う Excel の記録表です。期限を過ぎた指摘と、同じ項目に集まっている指摘が、色で分かります。確認項目のひな形つきで、無料で配っています。客先が様式を指定しているときは、そちらに従ってください。
形式:Excel(.xlsx)・約70KB・シート5枚・マクロなし。「確認項目」「パトロール記録」「指摘の一覧」「記入例」は A4 横で、横幅が1枚に収まる印刷設定です。「使い方」は A4 縦1枚です。
目安:台帳 記録を足しながら、続けて使います。
シートの中身
| シート | 中身 |
|---|---|
| 確認項目 | 工程パトロールで見る項目のひな形です(10項目と空き2枠)。項目名、何を見るか、何と照らすか、見る工程を、職場に合わせて書き換えます。項目ごとに、指摘の一覧にある件数(全部と、まだ閉じていない分)が自動で入ります。 |
| パトロール記録 | 1回の巡回で見た1つの工程を、1行に書きます(200行分)。日付、工程、回った人と、項目ごとの ○(問題なし)・×(指摘あり)・-(見なかった、関係ない)です。×の数と、指摘の一覧に書いた数を比べて、書き忘れの行に色が付きます。 |
| 指摘の一覧 | 指摘を1件1行で書きます(200行分)。事実、その場の対応、扱い(その場で直した・記録に回す・安全の担当へ渡した)、担当、期限、閉じた日を書くと、状態(対応中・期限超過・期限なし・完了・渡し済み)と、同じ項目の指摘の件数が自動で入ります。「数える期間」に日付を入れると、その期間だけを数えます。 |
| 記入例 | 5つの工程を、2026年10月に回った例です。パトロール記録7行と、指摘7件が入っています。工程名・日付・指摘の内容は、説明のための例です。 |
| 使い方 | 書き方、色の意味、印刷の範囲をまとめています。 |
確認項目のひな形
「確認項目」には、次の10項目を入れてあります。名前も見方も、職場に合わせて書き換えてください。
- 標準の掲示:作業標準・検査基準が、作業する場所に掲示してあるか。掲示してある版が、最新の版か。
- 手順どおり:標準に書いてある順番どおりに作業しているか。省いた手順や、順番の入れ替えがないか。
- 作業者の力量:その作業を、決められた教育を受けた人がしているか。
- 設備の条件:設備の設定や条件が、標準に書いた値のとおりか。
- 記録の空欄:検査記録・点検表に、記入もれや空欄がないか。
- 測定器の校正:使っている測定器に校正の表示があり、期限内か。
- 限度見本:判定に使う見本が有効な物か。傷み・汚れ・変色がないか。
- 識別と表示:材料・仕掛品・完成品の置き場と表示が合っているか。不適合品が分けて置いてあるか。
- ミス防止:間違いを防ぐ仕掛け(治具・確認の手順・表示)が、外れたり使われなくなったりしていないか。
- 変更点:最近の変更(材料・設備・方法・人)が、標準と記録に反映されているか。変更が現場に伝わっているか。
項目は、工程の異常を防ぐために日ごろ見ておく項目(JSQC「品質管理用語」の点検項目の考え方)を手がかりに、職場に共通しそうな物を選びました。使わない項目は、項目名を空欄にします。
色の意味
- パトロール記録の項目の欄が濃い黄色:× を付けた。
- パトロール記録の「照合」の欄が薄い黄色:× の数に対して、指摘の一覧に書いた件数が足りない。
- 指摘の一覧の状態・期限まで・期限の欄が濃い黄色:期限を過ぎて、まだ閉じていない。
- 指摘の一覧の状態の欄が薄い黄色:記録に回したのに期限が空欄(期限なし)、または扱いを選んでいない。期限と扱いの欄も、同じ理由で薄い黄色になります。
- 同じ項目の件数の欄が薄い黄色:その項目の指摘が2件以上ある。濃い黄色は、その中で最も多い項目。
- 灰色の字:パトロール記録の「-」を付けた欄、または指摘の一覧の状態が「完了」か「渡し済み」の行。
色は、ファイルを開いた日の日付で判定します。日がたつと変わります。記入例だけは、2026年10月30日に固定してあります。
使い方
- 「確認項目」を、職場の標準・記録・設備に合わせて書き換えます。工程の名前も、職場の呼び名に直します。
- 工程パトロールに回ったら、「パトロール記録」に1行足します。日付、工程、回った人を書き、項目ごとに ○・×・- を選びます。
- × を付けたら、「指摘の一覧」に1件1行で書きます。事実は、何が・どこで・どうなっていたかを、見たとおりに書きます。思ったことや人の評価は書きません。
- その場でした対応を書き、扱いを選びます。その場で直したときは「その場で直した」、後で直すために記録に残すときは「記録に回す」、安全に関わる指摘は「安全の担当へ渡した」です。その場で直すか記録に回すかの分け方は、下の関連するガイドにあります。
- 「記録に回す」指摘には、担当と期限を書きます。直したら、閉じた日と閉じた内容を書きます。閉じた日を書くと、状態が「完了」になります。
- ファイルを開いたら、「指摘の一覧」で色の付いた行を見て、期限を過ぎた指摘から手を付けます。「パトロール記録」の「照合」が薄い黄色の行は、指摘の書き忘れです。
- 見返すときは、「数える期間」に日付を入れて、同じ項目に指摘が集まっていないかを見ます。
この様式の考え方
工程パトロールは、用語集や規格に決まった定義がなく、職場ごとの呼び名です。この様式では、決められた手順・条件・記録どおりに作っているかを、現場で現物を見て確かめる定期の巡回、と呼んでいます。何を見るか、だれがどう回るかは、工程パトロールの進め方に書いています。
回る間隔、回る人、1回にかける時間は、この様式では決めていません。工程の重要度、最近の変更、これまでの指摘を見て、職場で決めてください。決めたときは、理由も残しておくと、見直すときの手がかりになります。
同じ項目に指摘が集まるときは、人が守っていないと決めつける前に、標準の書き方、設備、判定の基準、項目の書き方を見直します。「同じ項目の件数」は、そのための目印です。
安全に関わる指摘は、この表では追いません。安全の担当へ渡して、「渡し済み」にします。
工程パトロールの記録で内部監査を済ませたことにするかどうかは、この様式では決めていません。内部監査の組み立ては、内部監査の進め方に書いています。
出典
- 日本品質管理学会「品質管理用語」(2023年9月20日制定):「パトロール」「巡回」という語が載っていないこと。近い語に現場診断・内部監査・点検項目があること。点検項目は、工程の異常を防ぐために定常的に監視する原因系の項目とされていること
- 確認日:2026年10月30日
関連するガイド
- 工程パトロールの進め方=何を見るか、だれがどう回るか、指摘のあとの扱い(現場で試した人「現タメ」)
- 工程パトロールの指摘を「その場で直す」か「記録に回す」か=指摘をその場で直すか、記録に回すかの分け方(現場で試した人「現タメ」)
- 内部監査の進め方:監査プログラム・当日の順番・所見の書き方=内部監査の組み立てと、所見の書き方(現場で試した人「現タメ」)
- 測定器の管理台帳=「測定器の校正」の項目で照らす、校正の期限の台帳
- 限度見本の管理台帳=「限度見本」の項目で照らす、見本の有効期限の台帳
- 4M変更連絡票の様式=「変更点」の項目で照らす、変更の連絡票
- 道具の一覧=管理図、工程能力指数、測定の繰り返し性などの計算の道具と様式
この記録表は、社内で書き換えて使ってかまいません。列の名前や並びは、職場の決まりに合わせて直してください。確認項目と回る範囲は、客先の指定と社内の決まりで確かめてください。