客先に生値の提出を求められた:記録の残し方と検査成績書の様式を変えた

期間
2026年4〜9月
対象
客先に出す検査の記録と検査成績書
体制
筆者(品質保証)が客先の要求を受け、記録の残し方と検査成績書の様式を変えた
結論
記録の残し方と検査成績書の様式を変えた。効いた

客先から生値(測定の実データ)の提出を求められたら、検査成績書の様式と一緒に、測った値の記録の残し方も見直す。私はこの半年のうちに客先から生値を求められ、記録の残し方と検査成績書の様式を変えた。結果は効いた。

成績書の様式を変えても、もとの記録に1個ずつの値と、どの測定器でどこを測ったかが残っていなければ、生値は出せない。

目次

生値を求められたら見る2か所

見る所 確かめること
記録 1個ずつの測定値、測定器の管理番号、測った箇所、日時と測った人が残っているか
成績書 生値を本体に載せるか別紙で出すか、合否の判定に何を使うか

本体に載せるか別紙にするかは、生値を求める客先の数で決める。求める客先が多ければ本体に載せ、一部なら、その客先にだけ別紙の明細で出す。別紙にすれば、本体は客先ごとに変えずに済む。多い・一部の線の引き方は、次に読むの2本目で扱っている。

客先の取り決めが無ければ、合否の判定には平均を使わず、最小と最大を規格値と比べる。平均が規格の中でも、1個ずつの値が規格を外れていることがある。

記録に残す5つの項目

合否だけを残す記録からは、後で生値を求められても値を出せない。客先が生値を求めた項目から、測った値をそのまま残す形に変える。

項目 残す中身
測定値 丸めずに、測定器で読んだ桁のまま1個ずつ
測定器 管理番号。校正の記録とつながる
測った箇所 図面のどこを測ったか
日時と測った人 検査の都度に書く
訂正 元の値が読める形で直し、直した人・日・理由を残す

訂正は、紙の記録なら訂正線を引いて横に正しい値を書き、電子の記録なら元のデータを残したまま訂正後のデータを保存する。

様式を変えるときの段取り

  1. 客先が求める生値の範囲(検査項目・個数・ロット)を確かめる
  2. 今の記録に、その値が丸めずに残っているかを見る
  3. 残っていなければ、記録の残し方を先に直す
  4. 成績書で生値を本体に載せるか、別紙で出すかを決める
  5. 直した様式で1回出し、客先に過不足を聞く

段取りの2は、直近のロットの記録を1枚開けば確かめられる。1個ずつの値と測定器の管理番号が残っているかを見る。残っていなければ、記録の残し方を直し、値を残し始めるロットを客先に伝える。出す範囲と形式、丸めてよいかは、客先と先に決めてから出す。

客先に生値を求められたときの提出には、ものづくりポータルの検査成績書の共通様式(Excel・無料)が使える。本体には測った個数と最小・最大を書き、1個ずつの値は、求める客先にだけ別紙の「測定値の明細」で出す。

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免責:筆者個人の経験に基づく記録です。生値の提出範囲と形式は、客先との取り決めで確かめてください。

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この記事を書いた人

素材メーカーに勤めて10年以上。検査員から始めて、生産技術・品質保証・品質管理・新規事業開発を経験し、いまは品質保証の責任者です。クレーム対応と是正処置、ISO・客先・仕入先の監査、製品含有化学物質の調査回答(chemSHERPA・REACH など)、部下の教育まで担当しています。QC検定2級、ISO 9001 内部監査員。座右の銘は「ピンチはチャンス」。

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