毎月1回、その月に動いた製品含有化学物質と化学物質管理の改正をまとめるページです。一次資料で確かめた内容だけを載せます。10月15日時点のまとめに、10月21日までに出たものを書き足し、10月30日時点で中国の登記弁法の公布を足し、11月1日時点で官報とe-Govの状況を確かめ直しました。日付を入れた項目は、その日に確かめた内容です(確認日:2026年10月15日、一部は10月21日、10月30日、11月1日)。
- 場面
- 月例の品質会議で、10月に動いた化学物質の規制を報告する。自社の製品・設備・測定の委託先に関わるものを拾い、担当と期限を決める
- 対象
- 2026年10月に施行・適用・官報掲載・公表があった改正と、10月中に日付が決まっている予定。安衛法3件(個人ばく露測定、濃度基準値78物質、ラベル・SDSの対象物質案)、EUのREACH附属書XVII2件(第79項・第82項)、ECHAの分類勧告、中国の新化学物質の登記弁法、POPs条約2件、経済産業省の輸入通関の通知、ロシア向け輸出禁止の拡大、IMDS・GADSL・CMPのリストの更新。公布や官報掲載を待っているもの
- 使うもの
- 官報、e-Govパブリック・コメント、厚生労働省の通達・告示・意見聴取のページ、EUR-LexとECHA、欧州委員会のTBTポータル、POPs条約事務局のページ、経済産業省と財務省関税局の通達
- 要点
- 個人ばく露測定を外に頼むなら、委託先の作業環境測定機関が書き換え後の登録証を持つかを確かめる。EU向けの衣類・履物などは、10月10日以降に上市する分のPFHxAの成績書を揃える。輸入する部材・製品は、11月22日までにHSコードを経済産業省の別紙2と突き合わせる。使っている原料の成分は、ラベル・SDS対象物質案の35物質と突き合わせる(意見募集は11月18日まで、施行は2029年4月1日の予定)。ロシア向けの出荷がある品番は、輸出管理の担当と10月16日施行の品目を確かめる
10月の大きな動きは2つある。10月1日に、個人ばく露測定を作業環境測定の一部にする安衛法の改正が施行され、濃度基準値78物質が適用になった。10月10日には、EUのPFHxAの制限(REACH附属書XVII第79項)が、衣類・履物などで適用になった。
10月中に品証が手を付けることは3つある。個人ばく露測定を外に頼んでいるなら、委託先の作業環境測定機関が書き換え後の登録証を持つかを確かめる。EU向けの衣類・履物・化粧品などは、10月10日以降に上市する分の成績書を揃える。EUの拠点で泡消火設備や携帯消火器を使っているなら、10月23日に切り替わった内容の対象かを設備の担当と確かめる。
10月の動きの一覧
- 安衛法:個人ばく露測定の施行。10月1日に施行。個人ばく露測定を外に頼む会社と、社内で測る事業場が関係する。
- 安衛法:濃度基準値78物質。10月1日に適用。該当物質を屋内作業場で扱う事業場が関係する。
- 安衛法:ラベル・SDSの対象物質案。厚生労働省が35物質を加える案を公表し、10月20日にe-Govで意見募集を始めた(11月18日締切)。原料を受け取る会社と、調合品を社外へ渡す会社が関係する。
- EU:PFHxAの制限(第79項)。10月10日に適用開始。EUへ衣類・履物・化粧品などを出す会社が関係する。
- EU:TFAの分類勧告。10月6日にECHAが公表。TFAと、分解してTFAになるPFASを扱う会社が関係する。
- 中国:新化学物質の登記弁法。生態環境部が10月24日に部令第40号を公布して即日施行し、旧弁法の部令第12号は同日に廃止された(第48条)。登記は常規・簡易に新設の形式登記を加えた3区分になり、申請人は中国国内の生産・輸入の企業事業単位だけで、代理人の規定はない。意見募集稿にあった、備案済みの者に12月31日までの登記を求める条文は、正式版にない。中国へ化学品や混合物を出す会社の手順は、中国の登記の記事にまとめた。
- 経済産業省:輸入通関の通知の改正。10月2日に公表、11月22日から実施。LC-PFCA・クロルピリホス・MCCPが使われた製品を輸入する会社が関係する。
- 経済産業省:ロシア向け輸出禁止の拡大。10月9日に公布、10月16日に施行。ロシア向けに化学品やプラスチック素材を出す会社が関係する。
- POPs条約:附属書E・Fの情報提出の依頼。10月2日付、締切は12月4日。対象物質を使う部材を持つ会社は、下の節を見る。
- POPs条約:PFHxS改正の官報告示。10月8日に掲載。日本について9月15日に効力を生じた。
- IMDS・GADSL・CMP:製品含有調査のリストの更新。10月16日にIMDSがMCCPの物質グループを追加し、10月9日にCMPが外部リストVer3.00.00の説明資料を公開した。IMDS、chemSHERPA、CMPで回答する会社が関係する。
10月1日の個人ばく露測定
改正法(令和7年法律第33号)の一部が10月1日に施行され、個人ばく露測定は作業環境測定の一部になった(安衛法第2条第4号・第65条の3)。同じ日に、濃度基準値の技術上の指針の改正(公示第30号)が適用された。
リスクアセスメントに伴う測定(安衛法第65条の3第3項)の実施者の要件は、作業環境測定法施行規則第3条の3が定める。技術上の指針の2-3にも同じ内容がある。デザインとサンプリングは、登録を受けた作業環境測定士が行い、社内にいなければ作業環境測定機関などへ委託する。分析は、告示第292号の要件を満たす第一種作業環境測定士が行う。
サンプリングは、測定士の指定する方法で、サンプリング補助者講習の修了者が補助できる。旧指針にあった、自社の労働者が試料を採り分析だけを分析機関へ頼む方法の記述は、削られた。
委託先は2点を見る。作業環境測定機関の登録証が、個人ばく露測定の実施を載せた書き換え後のものであること。測定士の登録証に、個人ばく露測定の実施可の記載があること。書き換えが済んでいない機関は、10月1日以降、個人ばく露測定を行えない(厚生労働省のリーフレット)。
9月号の「分析をする人の要件」の文を、告示第292号に合わせて直した。
濃度基準値78物質が適用に
令和7年厚生労働省告示第269号の78物質は、10月1日に適用になった。8時間濃度基準値は、N-メチル-2-ピロリドンが1 ppm、ビスフェノールAが2 mg/m³だ。該当する物質を屋内作業場で扱う事業場は、労働者のばく露を濃度基準値以下にする。使っている化学品のSDSの成分と78物質を突き合わせ、該当があれば、確認測定が要るかをリスクアセスメントで見直す。
PFHxAの制限が10月10日に開始
REACH附属書XVII第79項(規則(EU) 2024/2462)の第1段階が、10月10日に適用になった。PFHxAとその塩の合計25 ppb、PFHxA関連物質の合計1,000 ppb以上のものは、上市も使用もできない。均質材料ごとに測る。
対象は、一般消費者向けの衣類・関連付属品の繊維・皮革・毛皮、履物、食品に触れる紙・板紙、一般消費者向けの混合物、化粧品の5つだ。10月10日より前に上市した物は対象外になる(第7項)。PPEの一部、医療機器、建築用繊維も除かれる(第3項)。
同じ制限は、衣類以外の一般消費者向けの繊維などに2027年10月10日から、民間航空の消火泡に2029年10月10日から掛かる。EU向けの品番は、均質材料ごとの成績書と、上市日が分かる出荷の記録を揃える。仕向地別の答え方はPFAS規制の記事にまとめた。
EUの消火泡規則は10月23日から
規則(EU) 2025/1988(REACH附属書XVII第82項)は、消火泡のPFASを合計1 mg/L未満にする制限で、2025年10月3日に官報へ載った。上市と使用の禁止は2030年10月23日からで、用途ごとの猶予は最長で2035年10月23日までだ。10月23日に、次の3点が切り替わった。
- 携帯消火器に入れるPFAS入りの消火薬剤は、上市の猶予が10月23日で終わった。アルコール耐性型は2027年4月23日まで。
- 1 mg/L以上のPFASを含む消火泡は、携帯消火器を除き、上市するときにラベル表示が要る。
- PFAS入りの消火泡を使い続ける人に、クラスB火災だけに使う、廃棄物を別に集める、管理計画を作る、などの条件が付く。
日本でも、LC-PFCA入りの消火器と泡消火薬剤の取扱い基準が、11月22日に始まる予定だ。EUの拠点に消火設備があるなら、設備の台帳に、薬剤の銘柄とPFASの有無を書く。
TFAの分類をECHAが勧告
ECHAのリスク評価委員会(RAC)は、トリフルオロ酢酸(TFA)とその無機塩を、生殖毒性の区分1B(発生への影響)と区分2(性機能・生殖能力への影響)、PMT、vPvMに分類するよう勧告した。ECHAは10月6日に、意見書の公開と欧州委員会への送付を発表した。TFAだけは、経口の急性毒性区分4と、吸入(蒸気)の区分3も入る。
法的な分類は決まっていない。欧州委員会が必要と判断すれば、CLP規則の義務が掛かる調和分類になる。TFAは、PFASなど一部のフッ素系物質の分解で生じうる。取り扱う原料にTFAや無機塩がないかを、仕入先のSDSの成分欄で探す。
POPs条約の10月の動き
条約事務局は10月2日付の書簡で、第22回検討委員会(POPRC.22)の決定に基づく情報の提出を求めた。会合は9月21〜25日にローマで開かれた。決定は8件で、附属書EとFの様式があり、締切は12月4日だ。
DBDPEとTBPHの結果は、条約事務局のページには載っていない。IISDの会議報告ENBは、2物質とも附属書Dの基準を満たしたと伝える。DBDPEはdecaBDEの代替で、電気電子機器、自動車部品、建築材料、繊維に使われる(どちらも二次情報)。使っている部材がないかは、仕入先の回答書の成分欄で探せる。
10月8日の官報(外務省告示第306号)に、PFHxSとその塩・関連化合物を条約の附属書Aへ加える改正が、9月15日に日本について効力を生じたと載った。日本は9月15日に、受諾しない旨の通告を撤回した。
EUのPOPs規則2本は掲載待ち
LC-PFCAの委任規則(C(2026) 6059、9月7日付)とMCCPの委任規則(C(2026) 6262、9月11日付)は、10月15日分までのEU官報(OJ L)の日次一覧に載っていない。EU出版局のデータベース(CELLAR)でも、10月30日付けまでに2本は見つからない。どちらも、掲載の20日後に発効する。適用は12月16日の予定だ。
欧州議会か理事会が通知から2か月以内に異議を出さなければ発効する(POPs規則第18条(6))。理事会が受け取ったのは9月7日と9月11日で、受領日から数えた単純な2か月後は11月7日と11月11日になる。この期間は、欧州議会か理事会の発議で2か月延びる。両機関が期間内に異議なしと伝えれば、その時点で要件を満たす。異議なしの通知が出たかは、11月1日時点でも確認できていない。欧州議会の手続の記録は、LC-PFCAが2026/2858(DEA)、MCCPが2026/2885(DEA)で、どちらも9月16日に環境・気候・食品安全委員会(ENVI)への付託が告げられたところで止まり、状態は「委員会の決定待ち」だ。2か月の延長の記録もない(11月1日に確認)。
非意図的な微量混入の基本の上限値は、LC-PFCAが酸と塩の合計0.025 mg/kg・関連物質の合計0.26 mg/kg、MCCPが1,000 mg/kg(0.1重量%)だ。用途ごとの特例は別に決まっている。塩素化パラフィンを出す側は、SDSにMCCPの合計濃度を載せる。3物質の日本とEUの違いはPOPs 3物質の記事にある。
IMDS・GADSL・CMPの更新
製品含有の調査に回答する会社に関わる更新を、10月21日に確かめた。
IMDSにMCCPの物質グループが加わった(10月16日)。GADSLのグループ項目61に載るMCCPの物質が入る(IMDSのお知らせ)。IMDS Release 15.4で作った「MCCPを含む可能性のある物質」のグループからは外された。常にMCCPのSVHCの定義に当たると判断されたためだ。
GADSLの9月の更新。IMDSは9月9日付けのお知らせで、9月11日にIMDSへ反映すると伝えた。更新の一覧では、31物質の区分がD/PからPに変わる。31物質は「その他のPFAS」のグループから外れ、29物質がPFOS、1物質がPFOA、1物質がPFCA(C9からC21)のグループへ移る。加わる物質は1つ(EC番号943-265-6)だ。
CMP外部リストVer3.00.00の説明資料(10月9日)。CMPは、登録物質の説明書、要申告物質の参照リスト、適合判定コードの一覧を公開した(CMPのお知らせ)。要申告物質は、公開済みのchemSHERPA Ver.2.13.00と整合している。外部リスト本体は公開されず、有償で提供される。chemSHERPAの物質リストの定期改訂は、2026年度からGADSLの改訂を基準日にする(年2回は変わらない。6月5日の告知)。chemSHERPAでの最新SVHCの反映は、これまでより2か月ほど遅くなる。次のSVHC候補のうち、パブリックコメントの段階の物質は「管理対象物質の候補」として載る。
自動車の客先からIMDSで回答を求められる品番は、MCCPのグループに当たる物質が成分にないかを、仕入先の回答書で確かめる。chemSHERPAで答える品番は、物質リストの改訂時期が変わることを、客先の調査票の締切と照らしておく。
輸入通関の通知が10月2日に改正
経済産業省は10月2日に、化審法に係る化学物質の輸入通関手続等の通知を改正した。別紙1にLC-PFCAとその塩、LC-PFCA関連物質、クロルピリホス、MCCPが通し番号41〜44で加わり、別紙2に輸入できない製品と関税定率法別表(HS)の主な対比が載った。11月22日から実施し、旧通知は11月21日限りで廃止する。
LC-PFCAとその塩、LC-PFCA関連物質には、はっ水はつ油の生地(54.07、55.12〜55.15、56.02、56.03)、衣服、床敷物、消火器(84.24)、消火器用消火薬剤と泡消火薬剤(3813.00)などが並ぶ。クロルピリホスは木材用の防虫剤(38.08)、MCCPは潤滑油・切削油・作動油や難燃剤などだ。輸入する部材・製品は、HSコードを別紙2と突き合わせ、該当する区分なら、4物質が使われていないことを仕入先に確かめてから輸入する。
ロシア向け輸出禁止が10月16日に拡大
ロシア向けの輸出禁止の対象に、化学品を含む品目が10月16日から加わる。10月6日の閣議決定を受けて、輸出貿易管理令の改正政令(政令第325号)と、貨物を定める省令の改正(経済産業省令第76号)が10月9日に公布された(経済産業省の対ロシア等制裁関連のページ、官報 10月9日 号外第223号)。
政令の本文で、別表第2の3第2号の2の無機化学品の項に、塩素、昇華硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、鉄の酸化物と鉄の水酸化物が加わる。プラスチックの単繊維・棒・形材も加わる。具体的な貨物は、経済産業省令が定める。
政令の附則は、公布の日から起算して7日を経過した日から施行すると定める。財務省関税局は10月9日付けの通達(財関第1185号)で、政令第325号等が10月16日から施行されると各税関へ伝えた。
ロシア向けの出荷がある品番は、輸出管理の担当と、省令の品目とHSコードを突き合わせる。
ラベル・SDSの義務対象に35物質案
厚生労働省は、ラベル表示とSDS交付の義務対象物質に35物質を加える案を示した。外国関係者の意見陳述(意見聴取のページ)とは別に、10月20日にはe-Govで政令案と省令案の意見募集が始まった。締切は11月18日(水)で、e-Govの受付は16時までだ。施行は令和11年(2029年)4月1日、公布は令和9年(2027年)2月の予定とされている。同じ別添に、1物質を外す案と、名称を整理する4件が載っていて、e-Govの省令案の概要別表でも同じ内容を確かめた(10月21日)。
- フッ素系の4物質。メタクリル酸=3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロオクチル(CAS 2144-53-8。通称6:2 FTMA)、ヘプタフルオロブタン酸(375-22-4)、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1,2-プロピレンオキシド(428-59-1)、1,1,2-トリフルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)エテン(1187-93-5)。
- そのほかの例。天然ゴム、顔料のピグメントイエロー12・13・83、2-エトキシエチル=メタクリラート、2-メトキシエチル=メタクリラート、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、トリエチレングリコール。
全35物質の名称は、別添の別表1に載る。CAS番号は参考として示されたもので、対象かどうかは物質名で判断すると別添に書かれている。製剤に含まれる量の下限にあたる裾切値は、別添にも、e-Govの政令案・省令案の概要にも載っていない。裾切値を決める告示の改正案も、同じ10月20日に意見募集が始まった(案件番号495260231)。締切は同じ11月18日、適用は2029年4月1日の予定だ。裾切値は、国の分類の有害性区分に応じて告示の別表第3で決まる(告示案の概要)。物質ごとに分けて決める物だけが、別表第1と第2に載る。今回の新旧対照表が改めるのは別表第1と第2で、35物質の名称は出てこない。35物質それぞれの裾切値は、国の分類の結果(有害性区分)を別表第3に当てて確かめる。
削除案は、フタル酸ジエチルだ。名称の整理4件のうち、水酸化リチウムの一水和物と、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩が対象に加わる。炭化けい素は、非繊維状のものが外れる。メタホウ酸バリウムは、表記がメタほう酸バリウムに変わる。省令案の概要では、削除と、炭化けい素・メタほう酸バリウムの整理は公布の日から効く。追加の35物質と、残り2件の整理は、2029年4月1日からだ。フタル酸ジエチルは、濃度基準値の技術上の指針からも外す案が、別の意見募集(案件番号495260232、締切は同じ11月18日)に出ている。公示は令和9年2月の予定で、適用は公示の日だ。
ラベル・SDSの対象は、2027年から2029年まで毎年4月に増える予定だ。
| 施行日 | 追加する物質 | 状況 | ラベル表示の猶予(施行日に現存する物) |
|---|---|---|---|
| 2027年4月1日 | 155物質(削除2物質) | 令和7年2月19日に公布済み | 2028年3月31日まで |
| 2028年4月1日 | 36物質 | 令和8年3月31日に公布済み | 2029年3月31日まで |
| 2029年4月1日(予定) | 35物質(削除1物質) | 案。意見募集中(11月18日まで) | 2030年3月31日まで(案) |
表の3行目の猶予は、政令案の概要にある「追加後1年間」を、施行日から数えた日付だ。猶予の記載があるのはラベル表示の規定だけで、SDS交付の猶予は概要に書かれていない。
外国関係者の意見陳述は、対象物質の製造・輸入などに関わる外国籍の人と、外資系企業に勤める日本国籍の人などが対象だった。申出は10月19日(月)に締め切られ、開催は10月21日(水)の予定だった。e-Govの意見募集は、個人も法人も出せる。理由を付けた日本語の意見を、e-Gov、電子メール、郵送のどれかで、11月18日までに出す(意見募集要領)。
受け取っている原料のSDSで、成分の物質名を別添の別表1と突き合わせ、CAS番号は目安にする。該当する原料があれば、仕入先にSDSとラベルの改訂予定を聞く。35物質を含む製剤を社外へ渡す会社は、含有量が裾切値以上なら、施行後にラベル表示とSDS交付の義務が掛かる。裾切値の数字は、告示案でも35物質ごとには出ていない。意見は11月18日まで出せる。公布は2027年2月の予定で、施行までは約2年半ある。10月に済ませる作業は、該当の有無の確認までだ。
公布や掲載を待っているもの
- SDS省令。安衛則第34条の2の4を改め、SDSの通知事項に4項目を足す。4項目は、成分の固有番号、呼吸用保護具の種類、不適切な保護手袋の材料、成分の化学物質の区分だ。公布は令和8年10月、施行は2030年4月1日の予定だ(厚生労働省の概要)。労働政策審議会は、9月28日付け(労審発第1807号)で省令案要綱を妥当と答申した。10月1日から30日までの官報の目次(本紙と号外。土日を除く)に、労働安全衛生規則を改正する省令はない。e-Govの案件ページ(意見募集は8月24日から9月23日)にも、11月1日時点で、結果の公示日と公布日の記載がない。
- 消火器・泡消火薬剤の取扱い基準の省令。公布は11月上旬、施行は11月22日の予定だ。意見の受付は10月1日に締め切られ、結果は11月1日時点でもe-Govに出ていない。10月30日号までの官報の目次にも載っていない。
- 表示事項の告示。告示は11月上旬、適用は11月22日の予定だ。意見の受付は同じ10月1日に締め切られ、結果は11月1日時点でもe-Govに出ていない。10月30日号までの官報の目次にも載っていない。
- EUのCLP改正案。CLP規則を国連GHSの新しい版に合わせる欧州委員会の委任規則案で、WTO通報 G/TBT/N/EU/1234の意見締切は10月16日だ。GHSの第8版から第10版を反映し、第11版のうちエアロゾルと皮膚感作性の混合物の基準も先に取り込む。案では、発効は掲載の20日後で、適用は発効の24か月後になる。適用日より前に上市し、現行の基準で分類とラベルを付けた物は、発効の48か月後まで新基準が要らない。
省令案の段階では、成分の固有番号はCAS登録番号等とし、通達で明示する予定だ。番号がない場合と、代替化学名等で通知する場合は除く。呼吸用保護具の種類は、使用時の成分組成が明らかな場合に限って書き、防毒用なら吸収缶の種類も含める。不適切な保護手袋の材料は、不浸透性の保護手袋の使用義務対象物質に限って書き、その情報を載せたウェブサイトのアドレスの通知で代えられる。成分の化学物質の区分は、安衛法令などに定める特定の区分に当たる場合、定められた略称で代えられる。SDS省令が公布されたら、条文と施行通達で、番号の範囲と区分の略称を確かめる。
11月22日の施行は官報で確定している
令和8年政令第171号と、LC-PFCA関連物質を156項目で定める省令(官報 9月18日 号外第209号)が、11月22日に施行される。この日から、LC-PFCAとその塩、LC-PFCA関連物質、クロルピリホス、MCCPが第一種特定化学物質になる。
同じ日に、経済産業省告示第121号が施行される。輸出貿易管理令第4条第3項の例外(携帯品の輸出など)を使えない貨物の一覧に、4物質が加わる。輸出承認の根拠は、同令別表第二の三五の三(六)の第一種特定化学物質だ。
仕入先への照会と、消火設備の台帳づくりは、9月号の手順のまま進める。
これからの日付
- 公布待ち(概要では10月公布の予定だった):SDS省令の公布
- 11月上旬(予定):消火器・泡消火薬剤の基準の省令公布と、表示事項の告示
- 11月18日:ラベル・SDS対象物質案(政令案・省令案と裾切値の告示案)と、濃度基準値の指針案の意見募集の締切(e-Gov、16時)
- 11月22日:化審法の政令・省令、外為法の告示、輸入通関の通知、消火器等の基準の施行(消火器等の省令の公布は11月上旬の予定)。輸入通関の旧通知は11月21日限りで廃止
- 12月4日:POPRC.22の情報提出の締切
- 12月16日(適用予定):EUのLC-PFCA・MCCP
- 2027年2月(予定):ラベル・SDS対象物質案の政令・省令の公布。裾切値の告示と、濃度基準値の指針の改正
- 2027年4月1日:ラベル・SDSの対象に155物質が加わる(公布済み)
- 2027年10月1日:濃度基準値48物質の適用
- 2027年10月10日:EUのPFHxA制限が衣類以外の消費者向け繊維に拡大
- 2028年4月1日:ラベル・SDSの対象に36物質が加わる(公布済み)
- 2029年4月1日(予定):ラベル・SDSの対象に35物質を加える案の施行(意見募集中)
- 2030年4月1日(予定):SDSの通知事項4項目の施行(公布後)
私なら、個人ばく露測定の委託先の登録証を、10月中の最初の確認にする。10月1日から適用されているからだ。次に、EU向け品番の上市日の記録と、EUの拠点の消火設備の台帳をそろえる。SDS省令の公布、EUのPOPs規則2本の官報掲載、ラベル・SDS対象物質案の意見募集の締切、11月22日の施行は、11月号で追っている。
客先の調査と仕入先の回答は、ものづくりポータルの含有化学物質の回答管理表(Excel・無料)で、1件1行に追える。回答管理表を開く →
次に読む
10月に書いた改正の、その後の動きをまとめた次の号。11月18日の意見募集の締切と、11月22日の化審法の施行、英国のPOPs改正案を、11月1日時点で整理した。

9月に動いた化審法のLC-PFCA省令とSDSの4項目を、11月22日までの手順つきでまとめた前の号。

10月10日に始まったPFHxAの制限と10月23日の消火泡規則を含め、PFASを含むかの答え方を仕向地別にまとめた記事。

出典
- EUR-Lex「Commission Regulation (EU) 2024/2462」(OJ L, 2024/2462, 2024年9月20日。REACH附属書XVII第79項。2026年10月12日確認)
- EUR-Lex「Commission Regulation (EU) 2025/1988」(OJ L, 2025/1988, 2025年10月3日。REACH附属書XVII第82項。2026年10月12日確認)
- EUR-Lex「C(2026) 6059」(LC-PFCAの委任規則・2026年9月7日付。第2条と附属書)、理事会文書12846/26(送付書・2026年9月7日受領)
- 理事会文書13064/26(MCCPの委任規則 C(2026) 6262・2026年9月11日付・同日受領。第2条は本体)、同 ADD 1(附属書。点1の1,000 mg/kg、点7のSDS)
- EUR-Lex「Regulation (EU) 2019/1021」(POPs規則。第18条(6))、EUR-Lex「Official Journal L series daily view」(2026年10月1日〜15日分を確認)
- 欧州議会 立法観測所2026/2858(DEA)(LC-PFCAの委任規則)、2026/2885(DEA)(MCCPの委任規則)、EU出版局CELLARの照会(10月30日付けまで。2026年11月1日確認)
- ECHA「ECHA recommends TFA’s classification as a reprotoxic substance」(ECHA/NR/26/28・2026年10月6日)
- Stockholm Convention「Follow-up to POPRC.22」、同「POPRC.22 Overview」(2026年10月15日確認)
- IMDS Public Pages「News」(2026年10月16日・9月9日)、GADSL 9月更新の一覧(IMDS公開)、CMP「CMP外部リストVer3.00.00関連資料の公開について」(2026年10月9日)、同「chemSHERPA物質リストの定期改訂タイミング変更と外部リストのバージョン体系変更」(2026年6月5日。いずれも2026年10月21日確認)
- IISD ENB「Summary of the 22nd Meeting of the Stockholm Convention’s Persistent Organic Pollutants Review Committee」(2026年9月28日。二次情報)
- 官報 2026年10月8日 本紙第1804号(外務省告示第306号)、官報 2026年9月18日 号外第209号(厚生労働省・経済産業省・環境省令第6号、経済産業省告示第121号)、官報 2026年7月31日 号外第172号(厚生労働省告示第292号・p.272)、官報「全体目次」(2026年10月1日〜21日分を確認)
- 厚生労働省 基発1001第16号(2026年10月1日・技術上の指針公示第30号)、基発0730第2号(2026年7月30日・個人ばく露測定等関係)
- 厚生労働省「個人ばく露測定を実施する作業環境測定機関の皆さまへ」(リーフレット)
- e-Govパブリック・コメント「作業環境測定法施行規則第3条の3第1項第2号の規定に基づき厚生労働大臣が定める要件」の意見募集の結果(案件番号495260085・2026年7月31日。告示第292号)
- 厚生労働省 基発1008第1号(2025年10月8日・令和7年厚生労働省告示第269号)、基発0831第3号(2026年8月31日・令和8年厚生労働省告示第332号)
- 厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案の概要について(諮問)」(第189回労働政策審議会安全衛生分科会・資料1-2)、e-Govパブリック・コメント案件495260154(意見募集 2026年8月24日〜9月23日。2026年10月21日確認)
- e-Govパブリック・コメント案件195260054(消火器等の技術上の基準・概要紙)、案件195260055(表示事項の告示案・概要紙)(どちらも結果の公示なし。2026年10月21日確認)
- 経済産業省「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に係る化学物質の輸入通関手続等について」(令和8年10月2日・別紙1・別紙2)、同「化学物質の輸入通関手続」ページ(2026年10月15日確認)
- e-Gov法令検索「作業環境測定法施行規則」(第3条の3。2026年10月1日施行の版)、同「輸出貿易管理令」(第4条第3項、別表第二の三五の三)
- 生態環境部「新化学物质环境管理登记办法」(生態環境部令第40号・2026年10月24日公布・同日施行。第4条、第10条、第11条、第48条。2026年10月30日確認)
- 生態環境部「关于公开征求《新化学物质环境管理登记办法(修订征求意见稿)》意见的函」(环办便函〔2026〕199号・2026年6月11日)、同 修订征求意见稿(第10条、第45条、第47条)、同「关于新化学物质环境管理登记有关事项的通知」(环办固体函〔2026〕301号・2026年8月4日掲載)、同「新化学物質」、同「部令」(どちらも2026年10月15日確認)、同「关于修改和废止部分规章的决定」(2026年9月20日付・9月22日掲載。規章の整理)
- 厚生労働省「ラベル表示・SDS等交付の義務対象物質に関する労働安全衛生法関係法令の見直しの検討に係る意見聴取について」(意見陳述の申出期限10月19日・開催10月21日。2026年10月15日確認)、同 別添(別表1の追加35、別表2の削除1、別表3の名称整理4・令和11年4月施行予定)
- e-Govパブリック・コメント案件495260226(労働安全衛生法施行令・労働安全衛生規則の改正案。意見募集 2026年10月20日〜11月18日。2026年10月21日確認)、政令案の概要、省令案の概要、省令案の概要別表(追加35、削除1、名称整理4)、意見募集要領
- e-Govパブリック・コメント案件495260231(裾切値の告示案。2026年10月21日確認)、概要、新旧対照表
- e-Govパブリック・コメント案件495260232(濃度基準値の技術上の指針の改正案。2026年10月21日確認)、概要
- 厚生労働省「第189回労働政策審議会安全衛生分科会」(2026年9月28日開催。2026年10月15日確認)、同 答申(令和8年9月28日付け労審発第1807号)
- 厚生労働省 基発0219第4号(令和7年2月19日・令和7年政令第35号と厚生労働省令第12号。155物質・令和9年4月1日施行)、基発0331第6号(令和8年3月31日・令和8年政令第90号と厚生労働省令第68号。36物質・令和10年4月1日施行)
- 経済産業省「対ロシア等制裁関連」(2026年10月6日発表・10月9日公布。2026年10月15日確認)、官報 2026年10月9日 号外第223号(輸出貿易管理令の一部を改正する政令・政令第325号)、同 経済産業省令第76号、財務省関税局 財関第1185号(2026年10月9日・政令の本文を含む)
- 欧州委員会 TBTポータル「G/TBT/N/EU/1234」(CLP規則の改正案・通報2026年8月17日・意見締切10月16日。2026年10月15日確認)、同 案文(第2条)
免責:このページは、官報、厚生労働省、e-Govパブリック・コメント、EUR-Lex、欧州議会、ECHA、POPs条約事務局などが公開している資料をもとに、2026年10月15日時点でまとめ、10月21日までに出たものと、10月30日時点で確かめた中国の登記弁法を書き足したものです。法令の解釈を保証するものではありません。自社が対象になるかは、条文と所管省庁の案内、取引先の要求書で確かめてください。