- 期間
- 2024〜2025年ごろ(いまから1〜2年前)の依頼1件
- 対象
- 客先から急ぎで届いた、製品の含有化学物質の調査依頼
- 体制
- 筆者(品質保証)が回答をまとめ、仕入先と客先の担当者に連絡
- 結論
- 手持ちのデータで先に回答し、仕入先には期限を切って依頼し、客先と残りの期限を相談した。条件つきで効いた
1〜2年前、客先から製品の含有化学物質の調査依頼が急ぎで届いた。含有化学物質の調査回答は、私の担当業務のひとつだ。手持ちのデータだけでは、依頼の全部には答えられなかった。
このとき私は、3つの手を打った。手持ちのデータで答えられる分は、仕入先の回答を待たずに先に返した。足りない分は仕入先に期限を切って頼み、客先とは残りを返す期限を相談した。結果は条件つきで効いた。条件の中身までは覚えていない。
答えられる分から先に返した
手持ちのデータは、過去に同じ品番で返した回答と、仕入先から受け取っている含有化学物質の資料だ。過去の回答を使うなら、今回の依頼と同じ対象物質のリスト(版)で答えたものかを先に見る。先に返す回答は、答えた所と答えていない所が客先から一目で分かる形にし、欄は次の4つにする。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 回答済み | 手持ちのデータで答えた品番と物質 |
| 根拠 | 答えに使ったデータ(過去の回答、仕入先の資料など)と、その日付 |
| 未回答 | 仕入先に確認している品番と物質 |
| 回答 |
未回答の分を返す日 |
先に返す回答の末尾には、仕入先の回答で中身が変われば差し替えると1文添える。仕入先から新しい回答が届いて中身が変わったら、根拠の欄の日付で差し替える回答を探す。
仕入先への期限は逆算で切る
足りない分は、仕入先に期限を切って依頼した。仕入先に切る期限は、客先へ残りを返す日(残りの回答予定日)から逆に引いて決める。
- 残りの回答予定日を仮に置く。
- その日から、仕入先の回答を読んで製品の回答にまとめる日数を引く。
- 残った日を仕入先の期限にして、依頼文に入れる。
依頼文には期限のほかに、客先の調査依頼に答えるための依頼であることと、どの品番のどの物質を聞いているかを入れる。
客先とは残りの期限を相談した
客先とは、残りを返す期限を相談した。相談の連絡には次の4つを入れる。
- 先に返した範囲(品番と物質)
- 残っている品番と物質、仕入先に確認中であること
- 残りの回答予定日(仕入先の期限に、製品の回答にまとめる日数を足した日)
- 予定日に間に合わないと分かったら、その時点で連絡すること
先に返した範囲と残りの回答予定日が分かれば、客先は自社の回答をいつ、どこまで組み立てられるかを決められる。
急ぎの依頼が届いた日にやること
急ぎの調査依頼が届いたら、その日のうちに依頼の品番と物質を、手持ちのデータで答えられる分と答えられない分に分ける。答えられる分は、回答済み・根拠・未回答・回答予定日の4つの欄を入れて先に返す。答えられない分は仕入先に期限つきで頼み、その期限から残りの回答予定日を決めて客先に相談する。
先に返した回答の根拠の欄は、ものづくりハンドブックのD4 化学物質管理・法規対応にある該非判定(規制の対象に当たるかどうかの判定)の記録とそろえておくと、後から追える。D4 の記録の要点は「判定の根拠と実施日を残す」で、記録様式には対象物質・判定日・判定根拠・判定者の4列を持たせる。
参考書籍(PR)
残りの回答予定日を、仕入先の期限から組み立てた日として客先に示す形は、『ハーバード流交渉術』(ロジャー・フィッシャー、ウィリアム・ユーリー)が説く、客観的な基準で合意する考え方に近い。
【PR】
|
|
次に読む
客先から chemSHERPA(含有化学物質の情報を伝える業界共通の形式)で回答を求められたときの、依頼の確認から返すまでの6つの手順と、返す前に見る5つの所。

先に返した分と残りを、客先ごと・仕入先ごとに追う台帳は、ものづくりポータルの含有化学物質の回答管理表(Excel・無料)に置いている。
免責:筆者個人の経験に基づく記録です。調査の対象物質と回答の形式は、客先の要求書で確かめてください。