現場で試した人– Author –
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品質管理・品質保証
客先に求められた試験がどこでもできないと分かってから、代わりの評価を決めた2週間の迷い
A4の紙が3枚、ホチキスで留めてある。1枚目の右上に「第4版」の判、その横に鉛筆で小さく「5/13受」の書き込み。3枚目の下のほうに、前の版には無かった行が1つ増えていて、そこだけ蛍光ペンの黄色。 -
学び・キャリア
引き継ぎ資料を作らずに品証の担当を渡してみて、6週間で抜けた3件
私の机は、品証の部屋の窓側の列のいちばん奥にある。左の袖机は3段で、3段目の引き出しにだけ鍵が付いている。中にはクリアファイルが2冊と、客先から預かった限度見本板が3枚、名刺が数枚。 -
品質管理・品質保証
客先が買収されて、品質の窓口が3回変わった3か月
客先の受入検査室は、去年と同じ建物の2階にあった。階段を上がった正面のドアの横に、見慣れない社名のプレートが新しく付いていて、その下に小さく、元の社名が括弧付きで残っている。検査台の並びも、壁のカレンダーの位置も変わっていない。 -
学び・キャリア
自分の説明が伝わらない原因を、言語化の型で7日間探して残った1行
月次の品質会議で、私の説明が5分で終わったあと、製造部長が同じ質問をもう1回した。「で、結局どうするんだっけ」。私は是正処置の方針を、原因の切り分けから順に話したつもりだった。 -
学び・キャリア
品質保証の予算を初めて数字で組んだ年、通った2件と半分になった1件
経理の担当者が、私の出した予算要求書の1枚目に定規を当てて、前年の欄と来年度の欄を上から下まで指で追った。追い終わると顔を上げて、「去年と同じですね」と言った。責める口調ではない。 -
品質管理・品質保証
客先に求められた材料宣誓書、何を宣誓する紙なのか原典を読みに行った3週間
「宣誓書って、何を誓うんですか」 営業の担当者が、A4の紙を2枚重ねて私の机に置いた。1枚目の上のほうに英語と日本語が並んでいて、日本語のほうには材料宣誓書とある。 -
現場改善
品質のアンケートを匿名に変えた年に、自由記述で増えたものと消えたもの
私の机の右の引き出しに、輪ゴムで束ねたA4の用紙が61枚入っている。去年の品質意識アンケートの回収分で、いちばん上の1枚は右上の記名欄に丁寧な字で名前が書いてあり、いちばん下の自由記述欄には罫線が3行引いてある。3行のうち埋まっているのは1行目の途中までで、「特にありません」。 -
品質管理・品質保証
検針機の感度を2水準に振って、1週間ずつ数えた停止回数
縫製ラインの出口に、腰の高さのベルトコンベアが1台ある。ベルトの中ほどに白い門型のヘッドがかぶさっていて、製品はその下をくぐって出荷検査の台へ流れていく。門の右の柱に赤いランプ、その下に「感度」と書かれたつまみ。 -
品質管理・品質保証
代替材へのグレード変更、受入検査に足した項目と足さなかった項目
A4の通知書が1枚、購買から回ってきた。材料メーカーのロゴの下に「グレード変更のご案内」とあり、本文の3行目に「同等品」の3文字が太字で入っている。いま使っている材料は6月末で生産を終え、代わりのグレードを案内する、という内容だった。 -
ITツール・AI活用
ラベルプリンタを2機種借りて、材料置き場の現品票を3週間ずつ打ち替えた結果
受入検査の記録用紙に、検査員がロット番号を書き写そうとして手を止めた。3月10日の火曜、朝の受入が終わったあとだった。材料の袋に付いた現品票のロット番号は「260217」のはずなのに、納品書には「260211」とある。