M65S・現場管理と監査の日常準備
考え方
監査は特別なことでなく、日常の延長。日ごろの5Sと識別がそのまま備えになる。点検表が形骸化する入口は3つあり、入口ごとに直し方が違う(下図)。
- 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を日常で維持重点
- 最新版の手順書・検査基準のみ現場に置く(旧版は回収)重点
- 識別・表示(合格/保留/不良、ロット)を明確にする
- 記録をすぐ出せる状態にしておく
5S・工程パトロールのチェックシート記入例(写真の撮り方・指摘の書き方・是正期限の付け方)
D8(層別工程監査・工程パトロールの運用)が巡回の仕組み全体(頻度・体制の設計)を扱うのに対し、ここではM6の担当者が日常の5Sパトロールで実際に記入する内容に絞る。役割分担の目安は、D8=管理者層による定期的な層別監査、M6=現場の日常点検・その場対応。両者の指摘は同じ様式・同じ記録の残し方で揃えておくと、月次レビュー(D6)で傾向を合わせて見られる。
写真の撮り方
- 指摘箇所は「引きの1枚(場所が分かる)」+「寄りの1枚(内容が分かる)」の2枚をセットで撮る重点
- 日付・場所(工程名)が写真だけで分かるよう、日付表示機能やホワイトボードで補う
- 是正後にも同じ角度で撮影し、before/afterを並べて記録する
指摘の書き方(良い例・悪い例)
| 観点 | 良い例 | 悪い例 |
|---|---|---|
| 対象の特定 | 「〇工程・置き場A・工具3点」まで具体的に書く | 「工具が乱雑」など対象が曖昧 |
| 期限の付け方 | 「当日中に識別・撤去、翌日巡回で確認」と期限と確認方法を明記 | 期限を書かず「早めに対応」で終わる |
| フォロー | 次回巡回日・担当者を記録する | 指摘だけで記録が閉じており、フォローされたか分からない |
是正期限の付け方の目安
- その場で直せるもの(置き場の乱れ等)は当日中の是正を基本にする重点
- 設備・購買が絡むもの(表示の作り直し等)は次回巡回日を期限の上限とする
- 期限に間に合わない場合は、その時点で暫定対応(応急の識別等)を先に行う
- 是正確認は指摘した本人以外(次回巡回者等)が行い、記録に残す
点検表が形骸化したときの立て直し
5Sパトロールが定着したあとに起きやすいのが、点検表にチェックだけが入り実態を見ていない状態(形だけの点検)。これは項目を追加すれば直るものではなく、むしろ減らす判断が要ることが多い。
- 点検記録と現場の状態を突き合わせ、「毎回◯がついているのに現場は乱れている」項目がないかを確認する重点
- 形骸化の兆候(点検時間が極端に短い・同じ担当者がいつも同じ時刻に一括記入している等)を洗い出す重点
- 項目数が多すぎて全部を見きれていない場合は、重点項目だけに絞り込む判断をする(減らすことは手抜きではなく実効性を上げる手段と位置づける)重点
- 項目を減らす・変える際は、なぜ変えるかを現場に説明し、一方的な通達にしない
- 見る側(監査者・パトロール担当)を固定しすぎず、たまに担当を変えて別の目で見る機会を作る
- 立て直し後は一定期間、記入内容と現場を突き合わせる確認を継続し、元に戻っていないかを見る
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