A10顧客監査・第三者審査(ISO等)の受審準備と当日運営
目的
顧客監査やISO等の審査を、指摘を恐れる場ではなく「体制を点検し改善につなげる機会」として計画的に運営する。
- 監査/審査の範囲・基準・過去指摘を事前に確認し、担当と役割を割り当てる重点
- 想定質問・必要記録(手順・力量・是正・トレーサビリティ)を事前に整える重点
- 現場(5S・掲示・現物・測定器)を日常の延長で整える(付け焼き刃にしない)
- 当日は事実ベースで回答し、分からない点は持ち帰る(推測で答えない)
- 指摘・観察事項は是正処置(B4)として登録し、期限・担当・有効性確認まで管理する
指摘への回答書の書き方
- 指摘の区分(重大/軽微/観察事項など、審査機関の分類に従う)を確認してから書き始める重点
- 回答は「事実の確認」→「原因(発生・流出)」→「是正処置(応急・恒久)」→「実施期限」→「証拠書類」の順で構成する重点
- 指摘の意図を勝手に広げず、指摘された事実の範囲に絞って回答する
- 期限は審査機関・顧客の指定に従い、間に合わない場合は理由と新期限を添えて事前に相談する
- 回答書は提出前に別の担当者がレビューし、事実と記載の整合を確認する重点
指摘区分別の回答構成の目安
| 指摘区分 | 回答に必ず含める要素 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 重大不適合(Major) | 事実確認/発生・流出の原因/応急処置/恒久対策と実施計画/証拠書類 | 審査機関・顧客の規定に従う(一般に短期・厳格。日数は指摘を受けた時点で確認) |
| 軽微不適合(Minor) | 事実確認/原因/是正処置の計画・実施期限 | 審査機関・顧客の規定に従う(重大より猶予があることが多い) |
| 観察事項(Observation) | 状況の説明/必要に応じた改善計画(強制でない場合が多い) | 次回審査までに対応するかどうかを含め、規定を確認して決める |
良い回答例・NG回答例の対比
| 項目 | 良い回答例 | NG回答例 |
|---|---|---|
| 事実確認 | 「〇年〇月〇日時点の点検記録3件で、点検欄が空欄であることを確認した」と件数・期間を明記 | 「一部に記入漏れがありました」と範囲が不明 |
| 原因 | 「点検表の運用ルールが新任者に伝わっておらず、教育記録もなかった」と発生原因を具体的に記載 | 「担当者の不注意」とだけ記載し仕組みの問題に触れない |
| 是正処置 | 「教育を実施(実施日を明記)し、点検表に管理者確認欄を追加。実施済み分は証拠を添付」と具体策と証拠を記載 | 「今後徹底します」など具体策・証拠がない |
| 期限 | 「恒久対策は〇月〇日までに完了し、完了後に報告書を提出する」と具体日を明記 | 期限の記載自体がない、または「近日中に」など曖昧 |
- 回答様式・提出方法・再指摘時の扱いは審査機関・顧客ごとに異なる。指摘を受けた時点で相手の規定を確認してから書き始める(上の表は一般化した架空例)
その場で回答に詰まったときの収め方
- 分からない・確認できていない場合は、その場で推測で答えず「分からない」と言ってよいと事前に全員へ周知しておく重点
- 持ち帰る場合は、何を・いつまでに・誰が回答するかをその場で明言してから切り上げる重点
- 後日回答の期限は、審査機関・顧客の指定がなければ実務上無理のない範囲であらかじめ社内で目安を決めておく重点
- 同じ質問に社内の回答者によって答えが割れた場合は、その場でどちらが正しいかを議論せず、一度持ち帰って一本化してから回答する重点
- 一本化した回答は、次回以降の想定質問集に加えて同じ食い違いを繰り返さないようにする
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