T11工程FMEA(PFMEA)の作成と活用
考え方
不良が出てから直すのではなく、工程の弱点を事前に洗い出し、優先順位をつけて手を打つ。
- 工程を機能単位に分解し、起こりうる故障モード・影響を洗い出す重点
- 発生度・影響度・検出度で評価し、優先度(RPN等)で対策順を決める重点
- 重要度の高い項目は工程・検査基準や管理計画(コントロールプラン)へ反映
- 4M変更・不具合の再発時にFMEAを見直す運用にする
- 設計FMEAや検査基準(T3)とひも付け、抜け漏れを防ぐ
PFMEA記入例(架空・1工程分のイメージ)
| 工程 | 故障モード | 影響 | 発生度 | 影響度 | 検出度 | RPN | 対策 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 接合・貼合工程(例) | 接着剤・材料の塗布量不足 | 剥離・強度不足 | 3 | 8 | 4 | 96 | 塗布量の自動監視・下限アラーム設置 |
| 接合・貼合工程(例) | ロール・加熱部の温度過昇 | 焦げ・外観不良 | 2 | 6 | 3 | 36 | 温度上限アラーム+定期点検 |
記入時の注意(NG例との対比)
- NG「異常が起きたら対応する」(曖昧)→ OK「塗布量が下限値を下回ったらアラームが鳴り、作業者が設備を停止する」(検出手段と行動を明記)
- NG:発生度・影響度・検出度を勘で埋める → OK:発生度は不良実績データ、影響度は流出時の影響範囲、検出度は現状の検出手段の実力で埋める
作成したPFMEAの更新運用
PFMEAは作って終わりにすると、量産開始時の想定のまま棚ざらしになりやすい。更新の引き金をあらかじめ決めておく。
更新の引き金
- 4M変更(材料・設備・工法・人)があったとき(C1と連動)
- クレーム・是正処置(8D/CAPA)が発生したとき(B4と連動。恒久対策をFMEAの故障モード・対策欄へ反映する)
- 工程能力が低下した、または管理限界を外れる頻度が増えたとき
棚ざらしにしないレビュー頻度
上記の引き金が無い期間でも、定期的な見直しの機会を別途決めておく。レビューでは「発生度・検出度が実態と合っているか」「対策済みの項目が本当に定着しているか」を確認する。レビューの頻度・時期は工程のリスクに応じて工程・品証の責任者が判断する。
更新履歴の残し方
- 版数・改訂日・改訂理由(引き金の種類)・改訂者を記録する。
- 改訂前後でRPNがどう変わったかを残し、対策の効果を後から追える形にする。
- 旧版は参照できる形で保管し、どの版で量産していたかをロットと突き合わせられるようにする。
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