ものづくりポータル
ものづくりハンドブック
F ケーススタディ(判断の追体験)/F7 外注先の工程変更が事前連絡されないまま不良が出た場面
📖 F・ケーススタディ(判断の追体験)種類:事例

F7外注先の工程変更が事前連絡されないまま不良が出た場面

状況:ある外注先で、使用する治具の一部を軽微な改善のつもりで交換していたが、当社への事前連絡はなかった。交換後のロットで、既存の限度見本と微妙にずれる外観不良が発生し、受入検査で複数件が引っかかった時点で発覚した。

判断ポイント:①「連絡してもらえるはず」という前提が、外注先との間でどこまで明文化されていたか。②連絡が来なかった理由を、感情的な行き違いとしてではなく、仕組みの欠落として切り分けられるか。

とった行動:外注先へ確認したところ、治具交換は「品質に影響しない軽微な変更」と外注先側の判断で完結しており、当社への連絡が必要という認識自体がなかったことが分かった。原因は3類型に分けて確認した。「約束していなかった」=取り決めに変更連絡の対象範囲が明記されていなかった。「言いにくかった」=過去に細かい相談をして煙たがられた経験があった。「受け手が決まっていなかった」=連絡窓口が担当交代後に引き継がれていなかった。今回は主に1つ目と3つ目が原因だった。対策として、変更連絡の対象範囲に治具・工具を明記し直し、窓口を複数名体制に広げた。

結果:連絡ルールを明文化しても「軽微だと思った」という受け手側の判断の余地は残るため、対策は連絡を待つだけでなく、変更直後ロットの受入強化と組み合わせる形にした。外注先側からは細かい相談をしやすくなったという声があった一方、「軽微」の線引きそのものにはなお曖昧さが残った。

学び:連絡が来なかった原因を人の意識の問題として片付けると、同じことが繰り返される。「約束していなかった/言いにくかった/受け手が決まっていなかった」の3類型で仕組み側の欠落を探す。そうすることで、再発防止を関係性ではなく仕組みに置ける。V3(4M変更・工程変更の事前連絡)・C5(外注・委託先の工程変更・停止対応)・P13(商社経由調達の品質管理)の型と組み合わせたい。連絡の対象範囲・窓口・受け止め方を定期的に確かめる仕組みにすることが有効である。

※本事例は架空の場面を一般化したものであり、特定の組織・案件を示すものではありません。

最終更新日:2026-09-24