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F ケーススタディ(判断の追体験)/F5 営業→技術→製造で要求がずれた場面
📖 F・ケーススタディ(判断の追体験)種類:事例

F5営業→技術→製造で要求がずれた場面

状況:新規案件の受注時に顧客から出た要求事項が、営業から技術、技術から製造へと伝わる過程で少しずつ言い換えられ、量産開始後の初回ロットで顧客の意図と異なる仕様のまま製造されていたことが判明した。関係者はそれぞれ「聞いた内容をそのまま伝えた」と説明したが、どこで内容がずれたのかが最初は分からなかった。

判断ポイント:①「誰が間違えたか」を特定する前に、伝達経路(営業→技術→製造)を3段に分けて、どの段で何が落ちたかを順に確認すること。②確認の型は3つある——受けた側が復唱する、書面の版で照合する、変更点だけを抜き出す。これが経路のどこにも入っていなかった場合は、個人の伝え方の問題ではなく仕組みの欠落として扱うこと。

とった行動:まず顧客要求の原文(営業が受け取った時点の記録)と、技術が起こした仕様書、製造に渡った作業指示の3点を並べ、どの段階で表現が変わったかを突き合わせた。営業→技術の段階では、要求事項が口頭中心で伝わり、技術側が自分の理解で要約して仕様書に落としていた。技術→製造の段階では、仕様書の版が更新された後も旧版の作業指示が現場に残っていた。是正は経路の2か所に分けて入れた。営業→技術では、技術側が受け取った内容を復唱・書面化して営業へ確認を返す運用を追加。技術→製造では、仕様書の版番号を作業指示へ必ず転記し、版が変わった箇所だけを抜き出して現場へ伝える様式を追加した(C4の基準改訂の定着手順を援用)。

結果:伝達経路を3段に分けて確認したことで、特定の個人の伝え方ではなく「版の更新が現場まで届く仕組みが無かった」ことが再発防止の焦点になった。一方で、復唱・書面化を追加した分、受け渡しに要する時間はわずかに増えた。繁忙期にこの手順が省略されないかは、今後の定着確認が必要な課題として残った。

学び:伝言が経路の途中で変わる問題は、最後に受け取った側(製造)だけを見ていても原因にたどり着かない。S15(顧客への提出書類の版管理)・C4(検査基準改訂後の定着手順)・T2(仕様変更の技術的な受け渡し)の型を経路の各段に当てはめ、「復唱する・版で照合する・変更点だけを抜き出す」の3つの確認動作をどこに入れるかで防げる。個人の記憶力や注意力の問題として片づけないことが起点になる。

※本事例は架空の場面を一般化したものであり、特定の組織・案件を示すものではありません。

最終更新日:2026-09-24