D11長期連休・生産停止前後の品質管理
目的
長期連休や計画的な生産停止は、設備の停止期間が長いという点で通常の週末とは異なるリスクがある。停止前の処置と再開時の確認を型にしておく。
- 停止前に、原材料・仕掛品・製品の保管条件(温湿度・期限)を確認し、劣化リスクがあるものは対応を決める重点
- 停止前点検(設備の養生・防錆・電源処置等)の項目を明確にする重点
- 再開時の始業前点検(M13)を通常より厚く行う(長期停止明けは通常のチョコ停より不具合が出やすい)重点
- 再開後の初物確認・初期流動監視を強化する
- BCP・災害時の品質維持(D7)と連携し、非常時ではない計画停止でも同じ確認の型を流用できるようにする
- 停止・再開の記録(点検結果・対応内容)を残す
連休明け立ち上げチェックリストの記入例(架空・設備/環境/在庫/人の4区分)
| 区分 | 確認項目 | チェック内容 | 異常時の一次対応 |
|---|---|---|---|
| 設備 | 防錆・養生の解除状態 | 停止前に施した防錆処理・養生カバーが計画どおり外され、拭き取り残りがないか | 錆・油膜の付着があれば清掃後に再確認、程度によっては保全へ連絡 |
| 設備 | 暖機・慣らし運転 | 規定の暖機時間・回転数で試運転を行い、異音・振動がないか | 異音があれば量産投入せず保全点検を依頼 |
| 環境 | 保管エリアの温湿度 | 休止中の温湿度記録に逸脱がなかったか、現状値が管理範囲内か | 逸脱があれば保管品の状態(劣化・結露)を個別に確認 |
| 環境 | 空調・除湿設備の再稼働 | 長期停止していた空調・除湿機が正常起動するか | 起動不良は保全へ連絡し、復旧までの暫定対応を検討 |
| 在庫 | 原材料・仕掛品の期限・状態 | 停止前在庫の使用期限・変質の有無、先入れ先出しの順序が崩れていないか | 期限切れ・変質の疑いがある品は隔離し、使用可否を品証に確認 |
| 在庫 | 予備品・消耗品の数量 | 休止中に使う予定だった予備品・消耗品が計画どおり確保されているか | 不足時は代替入手までの生産計画への影響を確認 |
| 人 | 休暇明けの体調・注意力 | 長期休暇明けは注意力低下・体調不良のリスクが高いことを踏まえた声かけ | 体調不良の申告があれば無理に稼働させず配置を調整 |
| 人 | 引き継ぎ事項・変更点の周知 | 休止中に決まった変更点(点検表の更新等)が全員に周知されているか | 周知漏れがあれば稼働前に個別説明してから作業に入らせる |
記入例は一般化した架空のラインを想定したもの。実際の点検項目・判定基準は設備・工程ごとに異なるため、自社の点検表に置き換えて使う。M13(始業前点検・設備コンディション確認)の点検表と重複する項目は、連休明けはM13の点検を通常より厚く行う前提で、この表は「連休明け特有の確認」に絞って併用する。