B1優先順位(トリアージ:上から確認)
目的/考え方
異常の第一報を受けたら、原因を考える前に「どこまで急ぐか」を決める。順番を上から確認するのは、下位の損得を先に考えると上位の判断が遅れるため。迷ったら上位(安全側)に倒す——後から下げるのは容易だが、上げ直すときには既に流出している。
- 人の安全:人身・労災・安全に関わるか重点
- 法規制・コンプラ:法令・規制(化学物質・安全基準等)違反の恐れ重点
- 顧客への影響:ライン停止・出荷済み・市場流出の恐れ重点
- 流出範囲:社内でどこまで波及(ロット・数量・期間)
- 社内損失:手直し・廃棄・納期影響
トリアージの型(第一報から30分以内に決める)
- 1〜5のどこに当たるかを、上から順に一つずつ確認する(下から見ない)重点
- 「出荷済みか/社内で止まっているか」を最初に確認する(この一点で緊急度が変わる)重点
- 判断がつかない項目は「該当する」側に倒して先へ進む(確認待ちで止めない)重点
- 決めた優先度と、その根拠になった事実(ロット・数量・出荷状況)を記録に残す
- 優先度は固定しない。事実が増えたら上げ下げし、変えたことを関係者へ伝える
| 該当レベル | 連絡のしかた | 初動の目安 |
|---|---|---|
| 1〜3(安全・法規・顧客影響) | 即・上長へ直接(メール/Teams/電話/口頭)。返信を待たず並行して着手 ★ | 出荷停止・在庫隔離を先にかける(B2)。重大なら B7 へ |
| 4(社内での波及) | その日のうちに上長へ報告し、対象ロットの範囲を共有 | 前後ロット・同条件品まで広げて確認(B2) |
| 5(社内損失のみ) | 定例(週次)で報告し、傾向として扱う | 通常の是正フロー(B3〜B4)で処理 |
1〜3 のいずれかに当たれば 即・上長へ直接(メール/Teams/電話/口頭)。連絡が遅れる理由の大半は「まだ調べ切れていないから」だが、事実が固まる前の第一報が正しい。分かっている範囲だけで伝える。
やってはいけない(NG)
- 原因が分かってから報告しようとして、出荷・流出が進む★
- 「たぶん大丈夫」で1〜3の該当を自分だけで否定する
トリアージ判定の演習5ケース(自分で判定してから解説を読む)
まず状況だけを読み、①どのレベル(1〜5)に当たるか②直後の初動、を自分で決めてから解説を確認する。以下はすべて架空の一般化した例で、判断が割れやすい点をあえて残している。
| ケース(状況) | 判断が割れやすい点 | レベル判定と初動(解説) |
|---|---|---|
| 出荷したロットで後工程の社内検査が規格外を発見。未出荷分は隔離済みで、出荷済み分はまだ顧客に届いていないと思われる。 | 「まだ届いていないと思われる」を根拠にレベル4(社内波及)へ倒しがち。 | 「届いていない」は未確認情報。出荷済みという事実だけでレベル1〜3側(顧客影響の要確認)として扱い、確認が取れるまで上位に倒す。 |
| 社内検査で不良を発見、同ロットは出荷実績ゼロ。ただし原因が別の安全基準に抵触する可能性がある。 | 「出荷していない」を理由にレベル4〜5へ倒しがち。 | 法規制・コンプラ(レベル2)に該当し得る時点で、出荷有無に関わらず安全側(上位)に倒す。 |
| 顧客から「使用中に異音がする」と連絡。安全上の問題かどうか技術的にまだ即断できない。 | 原因が分からないうちは報告を保留しがち。 | 人の安全に関わる可能性がある段階でレベル1として扱い、原因不明のまま第一報を入れる。 |
| 定例の抜取検査で軽微な寸法ズレを発見。同ロットは社内工程内にあり、出荷計画も来週以降。 | 「まだ時間がある」を理由に定例報告(レベル5)に回しがち。 | 出荷計画の有無だけでなく流出範囲・社内損失の見込みを確認する。通常はレベル4〜5相当だが、応急処置の緊急性は別途判断する。 |
| 顧客からの仕様変更相談を受けた際に、現行品にも同じ懸念点があると気づいた。不良は実際には発生していない。 | 「不良が発生していない」ため報告不要と判断しがち。 | トリアージ表は発生した異常への対応が主だが、気づいた懸念は早期に共有する(M15の予防ルート)。表の対象外でも「気づいたら声に出す」動きを止めない。 |
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B2初動・封じ込め(流出を止める)B3原因究明(発生と流出の両面)B4是正処置・恒久対策・横展開(8D/CAPA)B5特採(特別採用)申請の判断B6顧客連絡・対外対応の作法B7重大品質問題・リコール級のエスカレーションB8是正処置報告書(8D/SCAR)の作成と顧客提出B9流出後の顧客先在庫・市場品の選別/回収要否の判断
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B10是正処置の有効性確認(効果検証)とクローズ・再発監視B11難航・長期化案件の是正処置マネジメントB12記録不備・データの信頼性に疑義があるときの対応B13官公庁・認証機関への報告が必要な事案の対応B14再発クレーム発生時の対応(再発認定・特別体制・顧客説明)B15誤出荷・ラベル違い発生時の対応B16他社・業界の品質不祥事報道を受けた自社点検B17是正処置の期限に間に合わないときの対応B18顧客からの是正処置要求(SCAR)を受けたときの社内段取りB19顧客から「原因が腑に落ちない」と差し戻されたときの立て直しB20社外からの指摘で品質問題が表面化したときの初動B21原因未特定のまま是正報告を出すときの書き方B22是正処置が横展開せず他ラインで同じ不良が出たときの立て直しB23同じ不良が短期間に複数の顧客から出たときの立て直しB24是正処置が「人を増やす・気をつける」に落ちたときの立て直し