T22検査データの統計処理でやりがちな誤り5類型
目的/考え方
検査データの統計処理でやりがちな誤りは、n数不足・外れ値の恣意的除外・平均だけで判断・工程能力の前提無視・丸めの誤りの5類型。T12(SPC)やT14(MSA)で仕組みを整えても、データの読み方を誤れば判断そのものが崩れる。型として知っておくことで、統計処理の結果を鵜呑みにせず正しく使える。
- n数(サンプル数)が少なすぎる状態で「傾向がある/ない」を断定していないかを確認する重点
- 外れ値を、明確な理由(測定ミス・記録ミス等)なく「都合が悪いから」除外していないかを確認する重点
- 平均値だけで合否・傾向を判断せず、ばらつき(範囲・標準偏差)も併せて見る重点
- 工程能力指数(Cp/Cpk)は分布が正規分布に近いことが前提であり、前提が崩れている場合はそのまま適用しない重点
- 測定値の丸め方(四捨五入の位置・タイミング)が結果に影響していないかを確認する
5類型と気づき方の目安
| 類型 | 起きやすい場面 | 気づき方の目安 |
|---|---|---|
| n数不足 | 立ち上げ初期・少量ロットでの判断 | 「何個測ったか」を必ず確認する。数個で結論を出さない |
| 外れ値の恣意的除外 | 規格外れのデータが出たとき | 除外理由を記録に残せるか自問する。記録できないなら除外しない |
| 平均だけで判断 | 検査結果のサマリー報告 | 平均と一緒に最大・最小・ばらつきの指標が示されているか確認する |
| 工程能力の前提無視 | Cp/Cpkをそのまま使う場面 | データのヒストグラムを一度見る。分布が歪んでいないか確認する(T12と連動) |
| 丸めの誤り | 規格値ぎりぎりのデータ判定 | 丸める前の生データで合否を判定しているか確認する |
これらは特別な統計知識がなくても、「n数は?」「外れ値を外した理由は?」と問い直すだけで多くは防げる。判断に迷う場合はT5(工程能力調査)・T12(SPC)の担当者に確認する。
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