B9流出後の顧客先在庫・市場品の選別/回収要否の判断
目的
不良が社外へ流出した後の「広がりを止める」動き。顧客先在庫・市場品まで含めて影響範囲を特定し、選別・回収の要否を早く正しく判断する。
①回収要否の判断
初動(広がりの特定)
- 流出ロットの範囲(製造~出荷~納入先)をトレーサビリティで特定する重点
- 顧客先・倉庫・市場のどこに、どれだけ在庫があるかを至急確認する重点
- 安全・法規・機能への影響度から、選別・回収・現地対応の要否を判断する
実行・記録
- 選別(ソーティング)の基準・方法・実施者を決め、良品と不良品を確実に分ける
- 回収要否・範囲は上位判断とし、顧客連絡はB6・重大時はB7に従う
- 対応の記録(範囲・数量・処置)を残し、是正・横展開(B4)へつなぐ
②選別の実務
選別(ソーティング)作業指示書の記入例(架空の一般化例)
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 対象ロット | 架空ロットNo.〇〇〇(製造日・工程を明記) |
| 選別対象数量 | 例)3, 200個(うち出荷済1, 800個・在庫1, 400個) |
| 不適合内容 | 例)シール部の熱溶着不足(外観・引張で判定) |
| 選別基準 | 良否見本No.〇〇と対比。基準を満たさないものは全て不可(グレーゾーンは不可扱いとし持ち帰り判定) |
| 良否見本の指定 | 限度見本保管棚No.〇〇の現物(写真ではなく現物照合を優先) |
| 選別方法 | 全数目視+抜取りで引張強度確認(n数は抜取表または顧客との取り決めに従って着手前に決め、数字で記入) |
| 実施体制 | 選別責任者1名・選別作業者〇名(教育済みの者に限る) |
| 記録様式 | 選別数量・良品数・不良品数・不良内容の内訳を選別日ごとに記録 |
| 完了報告 | 選別完了後、数量突合(対象数=良品数+不良品数)を確認し上長へ報告。差異があれば原因を確認してからクローズ |
上記は説明用の架空例。
③費用負担と社内手続き
選別・回収を顧客と分担するときの取り決め(Q232・masaki指示 0817c 系)
- 範囲:どこまでを顧客側(客先在庫・二次加工品)、どこまでを自社側(工場内・倉庫)で選別するかを最初に線引きする重点
- 費用:選別・回収の作業費・人件費・輸送費・廃棄費を誰が負担するかを、着手前に少なくとも仮の合意として決める重点
- 報告:選別の進捗(数量・良否内訳)をどの頻度で・どちらが・どの様式で報告するかを先に決める重点
- 顧客側で選別作業を行う場合、自社側の立会いの要否と、立会う場合の頻度・確認項目を決める
- 立会いをしない場合は、良否判定の記録(写真・数量)を顧客側から受け取る形で代替し、記録が来ない場合の督促ルールを決めておく
- 終了の判断は「対象数量=良品数+不良品数」の突合が取れた時点とし、差異が出た場合は原因確認までクローズしない重点
範囲・費用・報告の3点を後回しにすると、選別が終わった後に「誰が払うか」で揉めやすい。着手前の仮合意でよいので必ず先に言葉にしておく。
回収要否・選別基準・費用負担を「誰が・何を先に」決めるかの型(値ではなく決め方)
- 権限者の置き方:選別・回収の要否と範囲を最終的に誰が決めるか(上長/品証の責任者/部門責任者のいずれか)を、事案が起きる前に役割として決めておく重点
- 判定基準を先に固定する:良否判定に使う基準(限度見本・数値基準等)を選別着手前に確定し、着手後に基準を変えない重点
- 費用の切り分けを顧客と握る順序:まず対応範囲(自社対応分/顧客対応分)を合意
- 次に暫定の費用負担配分を仮合意
- 実施後に実費で精算、の順で進め、費用の話を選別着手の前提条件にしない重点
- 権限者が不在・判断が割れた場合の代行順位をあらかじめ決めておく
- 決め方の型を毎回一から議論せず、初回に決めた型を次の事案でも踏襲する
権限者の一般的な目安(社内の確定値が出るまでの参考)
- 回収要否の判断は、品質部門の管理職が発起し、経営層が決裁する重点
- 費用負担の最終決定も経営層が行う。ここでは部門間の金額按分・負担割合の線引きまでは定めない重点
- 上記は一般的な目安。社内規程で権限者の役職や費用配分の基準が定められているかを先に確かめ、定めがあればそちらを優先する
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