TS31含有物質証明(MD/SDoC)の提出要求への対応
症状
顧客や商社から、MD(材料宣誓書)・SDoC(供給者適合宣言)等の様式で、特定物質の非含有証明の提出を求められる。要求の出どころは一つではない。船舶向け用途では、シップリサイクル関連(香港条約/EU船舶リサイクル規則)のインベントリ作成に伴うMD/SDoCが降りてくる。それ以外の用途では、REACH/RoHS等に紐づく含有調査(chemSHERPA・IMDS等)が川下から波及してくる。なお SDoC(供給者適合宣言)は本来「供給者が自ら適合を宣言する文書」の総称である。含有物質専用の様式ではない点に注意する。いずれも根拠がよく分からないまま「様式だけ回ってきて、とりあえず埋めて出してほしい」という形で現場に落ちてくることが多い。
まず確認(初動)
- 要求の出どころ(顧客直接か、商社経由の転記依頼か)と、どの規制・どの様式(MD/SDoC/chemSHERPA/その他自由記述)かを確認する重点
- 「何の規制に基づく要求か」が様式から読み取れない場合は、埋める前に依頼元へ根拠を確認する(規制が違えば対象物質も回答粒度も変わるため)重点
- 提出先・提出期限・再提出の可否を確認する
- 過去に同じ顧客・同じ様式で回答した実績がないか(使い回せる回答がないか)を確認する重点
社内の切り分け(誰が回答するか)
| 要求の性質 | 主担当 | 補助 |
|---|---|---|
| 規制・様式の適合性判断 | 品質保証 | 技術 |
| 実際の含有可否データの収集 | 購買(原材料側の窓口) | 技術 |
| 商流・契約上の回答権限の確認 | 営業・購買 | 品質保証 |
サプライヤーへの再依頼(文例)
- 様式(MD/SDoC)をそのまま転送するのではなく、対象物質・対象部材・回答期限を明記して再依頼する重点
- 再提出の期限は、顧客側の期限から社内の確認・翻訳・押印等に要する日数を逆算して設定する重点
非含有の根拠として使えるもの・使えないもの
| 資料 | 位置づけ | 限界 |
|---|---|---|
| SDS(安全データシート) | 危険有害性の情報が中心 | 非含有証明の代用にはならない。対象物質・濃度の粒度が異なることが多い |
| chemSHERPA回答 | 含有調査の標準フォーマット。根拠として使いやすい | 回答側(サプライヤー)の申告精度に依存する |
| 分析結果(第三者機関) | 実測値として最も強い根拠 | 全物質を網羅する分析は現実的に困難。対象物質を絞る必要がある |
- 「該当なし」という回答の場合も、確認した根拠(サプライヤー回答・分析結果の有無)とあわせて記録に残す重点
- 記録は、次に同じ問い合わせが来たときに使い回せる形(対象物質・確認日・根拠資料・回答者)で残す重点
恒久対策の方向
- 含有物質証明の依頼は「規制の時点情報を追いかける仕事」ではなく「対応の型を回す仕事」として扱う。
- 対象物質名・規制値・施行日といった時点情報の更新はTS26・D4側に任せ、本ページでは型を崩さない重点
- 頻出する様式・回答文例・サプライヤー再依頼文をテンプレ化し、毎回ゼロから作らない
関連する場面・症状
他の症状
TS検針・金属検出の異常(検出漏れ・過検出)と管理TS法改正・規制物質の新規指定への対応漏れTS記録・帳票の電子化移行に伴う記録不備TS見える化・IoTを入れたのに改善が回らないTS原材料の切替・グレード変更に伴う品質変動TS取引先の統合・買収・事業売却で品質保証の前提が変わったTS要求された試験が自社でも外注でも実施できないときの対応TS非含有の実測分析を求められたときの備え方TS顧客先で保管中に品質が変わったと言われたときの切り分けTS出荷検査合格でも客先で不適合と言われたときの突き合わせTS客先で開梱時に汚れ・キズを指摘されたときの切り分けTS受け取ったデータの真正性に疑いが生じたときの確かめ方TS出荷後に規格の読み違いが判明したときTS同じ品番で拠点によって判定が分かれたときの収め方TS客先で他社品と取り違えられたまま不良申告が来たときの切り分け