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F ケーススタディ(判断の追体験)/F9 顧客の受入検査だけが厳しくなり、同じ品質なのに不合格が増えた場面
📖 F・ケーススタディ(判断の追体験)種類:事例

F9顧客の受入検査だけが厳しくなり、同じ品質なのに不合格が増えた場面

状況:長年取引のある顧客の受入検査で、ある時期から不合格の判定が急に増え始めた。自社の工程能力・出荷前検査の結果には目立った変化がなく、社内的には「いつもと同じ品質」で出荷していた。担当者は「相手の検査が厳しくなったのではないか」と感じたが、根拠なく相手を疑う形で話を切り出すことにためらいがあった。

判断ポイント:①不合格の増加を「相手の判定基準が変わった」と決めつけず、まず何を突き合わせるか。②相手に事情を確認する際、責める口調にならずに基準のずれを洗い出すには、どちらから先に材料を出すべきか。

とった行動:TS42(同じ品番で拠点によって判定が分かれたときの収め方)の型を、社内対顧客の間にも当てはめた。サンプリング条件・測定方法・判定者(検査員の個人差)の3系統に分けて、まず自社側のデータをまとめてから相手先へ照会した。感情的な訴えではなく「いつから」「どの特性で」「どの程度」不合格が増えたかを数値で示し、相手の受入検査の条件(サンプル数・測定器の型式・判定基準の版数)を確認させてほしいと申し出た。S20(顧客の品質要求が過剰と感じたときの整理の仕方)の「根拠を確認してから話す」姿勢をここでも守った。

結果:突き合わせの結果、顧客側で受入検査の測定器を更新しており、旧機種との間に僅かな差(T19の管理値の余裕を超えない範囲だが判定境界に影響する程度)があることが判明した。相手を責める展開にはならず、双方で暫定の判定基準(当面は自社出荷前検査のデータも参考情報として添付する)を合意した。一方、原因特定までに数週間を要し、その間の出荷判断は都度協議が必要になり現場の負荷が上がった。

学び:判定のずれは「相手が厳しくなった」「自社が緩んだ」のどちらかに決めつけず、まず測る条件(サンプリング・測定方法・判定者)を突き合わせる型を持っておくと、感情的な対立を避けられる。自社側のデータを先に整理してから照会する順番は、TS42の拠点間トラブルと同じく有効だった。T19の社内管理値の考え方は、顧客側の測定条件変化を早期に検出するための余裕としても機能する。

※本事例は架空の場面を一般化したものであり、特定の組織・案件を示すものではありません。

最終更新日:2026-09-24