D8層別工程監査(LPA)・工程パトロールの運用
目的
問題が起きる前に現場のズレを見つける。役職を横断した“層別”の定期監査で、標準どおりの作業・記録・現物を確認する。
- 重要工程を対象に、確認項目を絞ったチェックシートを用意する重点
- リーダー・管理者など層を分けて定期的に巡回・確認する(層別監査)重点
- 標準・記録・現物・5S・測定器の状態を“その場で”確認する
- 逸脱はその場で是正し、繰り返すものは仕組み(標準・ポカヨケ)を直す
- 指摘・是正の記録を残し、傾向を月次でレビューする(D6と連動)
LPAチェックシートの記入例(1工程分・架空の一般化例)
| 確認項目 | 確認結果 | 指摘内容の記入例 |
|---|---|---|
| 作業標準の掲示・最新版か | ○ | (該当なし) |
| 作業者が標準どおりの手順で作業しているか | × | 良い例:「標準書3項の確認手順(〇〇を目視確認後に△△を実施)を省略し、△△から始めていた。作業者へその場で標準を確認させ、次工程投入前に再教育を実施」/悪い例:「手順が違う」(何がどう違うか・とった対応が書かれておらず、後から読んでも再現できない) |
| 検査記録の記入もれ・空欄がないか | ○ | (該当なし) |
| 測定器の校正表示・使用期限内か | ○ | (該当なし) |
| 5S(置き場・表示・通路確保)の状態 | × | 良い例:「治具置き場に表示のない工具が3点あり、置き場管理者に当日中の識別・撤去を依頼。翌日の再巡回で確認予定」/悪い例:「5S乱れている」(対象・件数・依頼先・フォロー予定が書かれておらず、指摘が流れて終わる) |
指摘の書き方の良い例・悪い例(対比のまとめ)
| 観点 | 良い例 | 悪い例 |
|---|---|---|
| 対象の特定 | 「〇工程・△番作業者・□時点」まで具体的に書く | 「現場で気になった」など対象が曖昧 |
| 事実と解釈の区別 | 見た事実(手順を省略していた等)をまず書く | 「やる気がない」など人の評価に飛ぶ |
| その場対応の記録 | その場でどう是正したかを書く | 指摘だけで、その場対応が書かれていない |
| フォロー予定 | 次回いつ・誰が確認するかまで書く | フォロー予定が書かれず、指摘が放置されがちになる |
上記は説明用の架空例。
指摘が毎回同じ項目に集中するときの読み方
- 同じ項目が繰り返し指摘されているときは、まず「人が守っていない」で結論を出さず、指摘の記録を並べて傾向を確認する重点
- 指摘対象の担当者・時間帯・工程条件がばらけているかを確認し、特定の人に集中していないかを見る
- チェック項目自体の粗さ(判定基準があいまい・現物で確認しにくい)を疑い、項目の書き方を見直す重点
- 監査の頻度・担当が固定化していないかを確認し、必要なら頻度や担当を入れ替えてみる重点
- 「指摘ゼロ」が続く工程ほど、チェック項目が形骸化していないかを別の視点で確認する(指摘ゼロ=良好とは限らない)重点
- 傾向が変わらない場合は、標準・設備・ポカヨケ側の恒久対策(D8本体の是正)へ切り替える判断をする