TS29原材料の切替・グレード変更に伴う品質変動
症状
コスト・調達安定・環境対応のために原材料や配合を切り替えたところ、重量・強度・風合い・色調・臭気などの特性がロット単位で変動する(連続シート材の場合は目付のばらつきとして現れることが多い)。切替直後は問題なくても、別ロット・別グレードで再発する。再生材・バイオ素材でばらつきが大きくなる。
まず確認(初動)
- 変わったのは「材料そのもの」か「メーカー・グレード・ロット」か「配合比」かを1つに特定する(4M変更のうち“材料”の変化点)重点
- 切替前後で、同じ試験項目・同じ条件の比較データを取っているかを確認する(比較の土台がないと原因を追えない)重点
- 代替材・再生材・バイオ素材は、既存材より物性のばらつき幅が広いことがある前提で見る
起こりやすい要因(4M)
| 区分 | よくある要因 |
|---|---|
| 材料 | 代替材・再生材のロット間ばらつき、バイオ素材の融点・流動性の違い、不純物・異物混入、含水率の差 |
| 方法 | 既存材と同じ加工条件(温度・張力・速度)のまま切り替えた、切替時の初物確認・工程能力の再取得を省いた |
| 人 | 変更が「材料だけ」と軽く扱われ、4M変更管理・初物確認のフローに乗っていない |
| 機械 | 材料特性に合わせた条件出しをしておらず、設備の設定が旧材のまま |
切り分け・確認
- 変動している特性(強度・色・臭気、連続シート材の場合は目付を含む)が、材料由来か加工条件由来かを、条件を固定した比較で切り分ける重点
- 供給側のCoA(試験成績書)・グレード規格を入手し、既存材との物性差(融点・粘度・純度・再生材比率)を確認する重点
- バイオ・生分解性素材は、吸湿・熱履歴で特性が動きやすいため、保管・乾燥条件も疑う(TS17と併せて確認)
恒久対策の方向
- 材料切替は必ず4M変更管理(C1・T2)に乗せ、初物確認・工程能力の再取得(T5)をセットで行う重点
- 代替材・再生材は「量産切替前に少量で条件出し」を標準化し、条件表を材料グレードごとに残す重点
- 受入時にロット間ばらつきを監視する項目(融点・色差等。連続シート材の場合は目付を含む)を決め、規格化する(P2・P8と連携)
- 環境対応の切替は営業・技術と要求(再生材率・生分解性)を握り、品質妥当性が取れるまで顧客約束を確定しない(S12)
他の症状
TS検針・金属検出の異常(検出漏れ・過検出)と管理TS法改正・規制物質の新規指定への対応漏れTS記録・帳票の電子化移行に伴う記録不備TS見える化・IoTを入れたのに改善が回らないTS取引先の統合・買収・事業売却で品質保証の前提が変わったTS含有物質証明(MD/SDoC)の提出要求への対応TS要求された試験が自社でも外注でも実施できないときの対応TS非含有の実測分析を求められたときの備え方TS顧客先で保管中に品質が変わったと言われたときの切り分けTS出荷検査合格でも客先で不適合と言われたときの突き合わせTS客先で開梱時に汚れ・キズを指摘されたときの切り分けTS受け取ったデータの真正性に疑いが生じたときの確かめ方TS出荷後に規格の読み違いが判明したときTS同じ品番で拠点によって判定が分かれたときの収め方TS客先で他社品と取り違えられたまま不良申告が来たときの切り分け