P19サプライヤーの製造拠点変更を通知されたときの確認事項
目的/考え方
サプライヤーから製造拠点の変更(別工場への移管・海外生産への切替等)を通知されたとき、「同じ図面・同じ仕様だから大丈夫」と流さず、設備・人・環境が変わる前提で確認を組み直す。C8(自社の生産移管)と考え方は同じだが、購買側は相手先の変更を「受け止める」立場になる点が異なる。
- 変更の範囲(全量移管か一部か)・時期・理由(コスト/能力/事業判断等)を書面で確認する重点
- 移管先の設備・工程・検査体制が移管元と同等であることを、初回品評価で確認する重点
- 移管先の工程能力データ(初期流動を含む)を新たに取得してもらい、移管元の実績と比較する重点
- 移行期間中は移管元・移管先どちらのロットかを識別し、二重管理(並行生産期の追跡)を行う重点
- 移管先の要員教育・力量確認の状況をサプライヤーに確認する
- 顧客への通知・承認が必要な変更か(4M変更の対象)を確認し、必要な場合は早めに連絡する重点
- 移管完了の判定基準(初物確認・工程能力・一定期間の実績確認)をサプライヤーとすり合わせておく
二次サプライヤーの変更を一次から知らされていなかったときの詰め方
本節は一次サプライヤー自身の拠点変更を扱うが、一次サプライヤーがさらに外部(二次サプライヤー)へ発注している部材・工程で、その変更を一次から知らされていなかったと後から分かることがある。この場合、一次サプライヤーとの取り決め自体に穴があった可能性を含めて確認する。
- 変更がいつから行われていたかを一次サプライヤーに確認する(一次自身が把握していない場合は、二次への確認を依頼する)重点
- 遡る範囲を決める(変更日が特定できない場合、一次からの納入記録と突き合わせて安全側で設定する)重点
- 対象となった納入分の現品・在庫を識別できるか確認する
- なぜ一次から連絡が来なかったかを確認する(①一次自身が把握していなかった ②把握していたが二次サプライヤーの変更は連絡対象外と認識していた ③連絡ルールはあったが運用されていなかった)重点
- ②が原因の場合は、V3の事前連絡ルールが「二次サプライヤーの変更も含む」ことを一次との取り決めに明記し直す重点
- 一次・二次それぞれの責任範囲(品質保証の一次責任は一次サプライヤーにあること)を確認したうえで、直接二次に確認が必要な場合の連絡経路も決めておく
- 取り決めの直し方は、口頭合意ではなく発注条件・品質保証協定の書面に反映する重点
関連する場面
同じ読者向けの他トピック
P1サプライヤーの選定・承認P2受入検査・受入基準P3サプライヤーの4M変更・製造中止管理P4化学物質・法規エビデンスの収集P5サプライヤー不適合・クレーム対応P6サプライヤー監査・品質改善の伴走P7供給BCP・二社購買(供給途絶リスク)P8原材料の値上げ・代替材の評価と切替管理P9受入ロット管理・FIFO と保管品質の維持P10副資材・包装資材の品質管理(変更管理)P11輸入材・調達リスク管理(為替・関税・長納期の変動対応)P12受入データの活用・サプライヤー品質スコアリングP13商社経由調達の品質管理(製造元が見えない場合の要求事項)P14支給材・預り材の品質管理(受入・保管・返却)P15新規サプライヤーの評価・登録の流れP16価格改定・契約更新時の品質条件の見直しP17廃番・供給終了通知を受けたときの動きP18サプライヤーの是正回答が不十分なときの差し戻し方P20見積り段階で購買が品質要求を拾い切るための確認表P21値上げを理由に品質条件の緩和を求められたときの受け方P22サプライヤーの品質窓口が不在・交代したときの動きP23二次以降のサプライヤーで問題が起きたときの動きP26是正期限延長の申し出への受け方P27在庫を持たない都度手配へ切り替えるときの品質側の確認P28サプライヤーから検査の省略・簡略化を提案されたときの受け方P29サプライヤー担当交代時の回答品質の立て直しP30購買が価格交渉の主担当を外れたときの品質側の確認