D5文書・記録管理
目的
「最新版はどれか」「その記録はどこにあるか」で迷わない状態を保ち、監査・顧客要求・不具合追跡のときに即座に根拠を出せるようにする。
- 文書の版管理(最新版のみ現場に・旧版回収)重点
- 承認・配布・改廃のルール
- 記録の保管期間・保管場所・アクセス権限重点
- トレーサビリティ(製品⇔ロット⇔記録)
- 機密・顧客情報・個人情報の取り扱い
電子記録の管理(紙・電子が混在する時代の必須項目)
- 正本を1つに決める(同じ記録が紙と電子の両方にあるとき、どちらが正かを明示する)重点
- 編集履歴=監査証跡(誰が・いつ・何を変えたか)が残る仕組みにする重点
- アクセス権限を「閲覧/編集/承認」で分け、退職・異動時に見直す
- バックアップと復旧手段を確認する(クラウド任せにせず、復元できるかを一度試す)
- 保存年限が過ぎた記録の廃棄ルールも決める(残し続けることが安全とは限らない)
- 電子化への移行時は、移行日・並行運用の終了日・過去記録の所在を文書に残す(TS27)重点
よくあるつまずき
- 紙の様式をそのまま電子化しただけで、必須入力・入力チェックを組み込んでいない
- 共有フォルダに「最終版」「最終版2」が並び、どれが正本か分からなくなる
保管期間の決め方(3層で整理する)
記録の保管期間は「なんとなく長めに残す」ではなく、次の3層を重ねて一番長い期間を採用する形で決める。
- 顧客要求の保管期間:契約・仕様書・品質協定に定めがある年数(顧客ごとに異なるため一覧化しておく)
- 自社基準:法定にも顧客要求にも定めがない記録について、トレーサビリティ・再発防止調査に使える期間を自社で決めたもの
- 記録ごとに3層のうち根拠となる年数を書き出し、最も長い年数を保管期間として採用する重点
- 3層のいずれにも根拠が無い記録は、自社基準の年数を決めて台帳に明記する(決めずに「とりあえず残す」を避ける)
- 保管期間の起算日(発行日/出荷日/契約終了日など)を記録種類ごとに統一する重点
- 保管期間が切れた記録は、廃棄前に監査・係争中案件との関連が無いかを確認する手順を挟む重点
- 廃棄は担当者の判断だけで行わず、廃棄リストの作成→承認→実施の順で記録に残す重点
廃棄判断チェックリスト
- 保管期間が経過しているか
- 進行中の監査・クレーム・訴訟等に関連していないか
- 後続の記録(次工程・次年度データ)の根拠として参照され続けていないか
- 顧客から個別に保管延長を求められていないか
- 廃棄の実施記録(誰が・いつ・何を)を残しているか
関連する場面(他カテゴリ)
S2顧客要求・仕様書の受け取りと連携S7提出書類・品質エビデンスの取り交わしC4工程・検査基準の制定/改訂TS27記録・帳票の電子化移行に伴う記録不備V14外注先への図面・規格・限度見本の貸与と返却・廃棄のお願いD15品質マニュアル・規定文書の改訂運用D16品質記録の電子化後の「正本」の決め方と運用D2測定器・校正・MSA管理D18規格改訂公表時の社内対応の型T28根拠の記録が残っていない社内基準に出会ったときの扱いF6特採(特別採用)を繰り返すうちに実質の基準が動いていた場面D3監査対応(内部監査・顧客監査・審査)D4化学物質管理・法規対応S31検査成績書の書式変更を求められたときの受け方F8顧客監査の直前に記録の一部が揃っていないと分かった場面